ゴー宣ジャーナリスト 焙煎珈琲です。
「東京都知事選挙、私が現職都知事に投票しない理由」
令和6年7月7日東京都知事選挙が行われます。
↑大隈会館脇 6月7日撮影
まだ何も貼っていない掲示板。
肥後細川庭園脇 6月21日撮影
現職都知事のポスターだけ貼ってありました。
早稲田大学施設脇 6月22日撮影
NHK党の黄色いポスターばかりです。
豊島区立高南小学校脇 6月25日撮影
こちらは犬で来ました。
「選挙ポスターを貼りたい方!」募集までしています。
豊島区立フラワー公園脇 6月29日撮影
こちらは若い女性のポスターで来ました。
この掲示板ジャック、人手が足らないのかポスター枚数が足らないのか行われているのは一部です。
また48枚しかポスター貼れないのに今回過去最多の56人が届け出したためこんなこと↓にもなっています。
早稲田大学大隈講堂脇 6月28日撮影
掲示板の脇にクリアファイルをつけてポスターを貼っていました。
他にも全裸ポスターを掲示するとか、ただの広告宣伝と化した都知事選挙。
政治不信とただでさえ言われているのにさらにこれでは選挙に行く気も失せます。
また今回の選挙は多くの人が投票してもしなくても現職都知事が再選するだろうと考えているでしょう。
私もそう考えているので、投票しに行く気持ちが弱い。
前回唖然とするほどの圧勝で再選していますし。
どうしてそんなに現職都知事が強いのか調べてみようと図書館で本を借りてきました。
本人のインタビューを中心にほぼ事実を書いているのでしょうが、ヨイショ本と言っていいですね。
そのため批判本より勉強になるかもしれません。
本から現職都知事の略歴を抜粋すると
昭和46年 関西学院大学を中退しエジプト留学
昭和47年 カイロ大学入学、学生結婚
昭和48年 第四次中東戦争勃発・離婚
昭和51年 カイロ大学卒業
昭和54年 竹村健一の世相講談のアシスタント就任
昭和63年 ワールドビジネスサテライトキャスター就任
平成4年 日本新党より参議院議員当選
平成15年 自民党入党・環境大臣就任
平成17年 東京10区で衆議院議員当選
平成19年 防衛大臣就任、2カ月足らずで離任
平成28年 東京都知事就任
カイロ大学在学中は主に通訳のアルバイトをして生活費にあてていたとのことで外国語には堪能。
実際「トルコ風呂」を「ソープランド」に変えた、とかクールビズ、とかアウフヘーベンとかロックダウンとか使いこなしています。
さらに凄いのは人脈です。
もともと父親が政治に興味深く、石原慎太郎などとも親交があったとか。
彼女自身も中曾根康弘、小沢一郎、細川護熙、小泉純一郎、二階敏弘、と大物政治家の間を渡り歩いています。
防衛大臣、環境大臣も経験し、政治キャリアも充分。
元々マスコミ出身なのでマスコミ対応も熟練。
「排除します」の発言がなかったら初の女性総理になったのではないでしょうか。
泉 房穂さんもそう著書↓で述べています。
さてそれで私が過去2回の都知事選を含め現職都知事に投票しない理由。
上記の2冊の本で二人が語ったことがすごくわかりやすい対比になりました。
現職都知事は兵庫県芦屋市出身に対し、泉 房穂さんは兵庫県明石市出身。
10歳の時から明石市長になろうと誓い、貧乏な家庭から東京大学、NHK、テレビ朝日、参議院議員を経て弁護士資格を33歳で取って明石市長になり、12年勤められました。
経歴も出身も、ちょっと似ているところがありますね。
しかし、市長としての実績では
子供医療費の無料化。
人口増加と赤字財政の黒字化。
を1期目で実施しています。
本のタイトルは「政治はケンカだ!」となっていますが「政治は結果だ!」とも本には書かれています。
まったくそのとおりです。
とことん地元に市民目線で働かれたところを尊敬します。
対して現職都知事は郵政民営化の時に「刺客」として東京10区に来ました(ここだわ!とか言っていたと本に)。
私が12年前ほどに引っ越してきたときはまだ自民党の地区リーダーをしていて、自宅近くの江古田駅前でスピーチしているのを見ました。
が、地元では人気がなく(自宅近くのパン屋主人談)うちの店に来るお客様でも支持している人を聞いたことがない。
そのせいかどうかそれ以来スピーチをしているのを見たことがありません。
そして都知事として何を行ったか。
「7つのゼロ」の公約は「ほぼ未達成」
公約を掲げるのはいいのですが出来もしないことを掲げてはだめです。
旧民主党の「マニフェスト」でどれだけの国民がガッカリしたことか。
48億円都庁プロジェクションマッピング
とこんなことに金を使うならもっと他にやることがあるでしょう!(ウチの妻談)。神宮外苑の再開発
あわや国立競技場はとんでもない予算でヘンテコなデザインで建てられるところでした。
神宮球場も老朽化が激しいので建て替えは必須なのですが、樹木を伐採・移植はダメでしょう。
明治神宮の外苑ですよ。
景観が失われてしまってはいけません。
また、現職都知事自宅のすぐ近くに千川通りが通っているのですが、毎年のように道路が新しくなります。
そういえば近所の道もそこら中掘り返してキレイになっています。
自分の周りの道(主に都庁へ続く道路)ばかり何度も掘り返す金と手間があるのなら、いつまでたっても中途半端な土地買収で開通しない外苑西通りや要町通りを貫通させてください。
工事中と進入禁止のエリアばかりで歩行者も自転車も自動車も走りにくくてたまりません。
だからそこら中渋滞しているのですよ?
また東京都知事(政治家も)は青島幸男以来才能が枯れた芸能人や作家の再就職先になっています。
もう私は70過ぎた才能の枯れた老人に「公務」をしてほしくないのです。
公務員もサラリーマンも65歳で定年でしょう?
能力のある人はどの世界でもいつまでも働いてもらいたいですが政治能力、疑問符だらけですよ。
でも対抗馬がおなじくタレント上がりの蓮舫氏では勝てないでしょう。
今回「2番じゃダメ」なんですよ。
次に続くのは石丸伸二候補なのでしょうがウチの店の前を選挙カーで走っていた時寝ていた(ウチの妻が目撃)そうですよ。期待薄。
それでも私たち夫婦は期日前投票を済ませてきました。
都民の皆さん、気が進まないとは思いますが気力を振り絞って投票に行きましょう。万が一結果が変わったら嬉しいので東京都に対する意見として投票だけはしておきます。
プロフィール
東京都新宿区の直火式珈琲焙煎士兼販売店オーナー。
学生時代はほぼ昭和で平成元年社会人デビュー。
大手自動車メーカーに就職したのに6年で退職。
その後派遣を含めあちこち転職し続けて20年。
平成10年12月に脱サラしてようやく念願の独立。
趣味、というよりなくてはならないものが漫画。
草野球試合中にバットで殴られた事件で門下生に。
実は焙煎さんは、この原稿に添えたメールに「批判しようとすると弱点が経歴詐称か年齢くらいしかなく、批判がそこに集中するのは当然なのですね。だからむしろ前半はほめることにしました。」と書いていたのですが、私はここにこそ、小池百合子が強い最も大きな理由が隠れていると思いました。
小池の前の猪瀬直樹や、その前の舛添要一にはものすごくわかりやすい弱点があって、マスコミも大衆もそこを袋叩きにして辞めさせてしまいました。
ところが小池にはそのような、わかりやすく袋叩きにできるポイントがないのです。
セックスかカネにまつわるスキャンダルでもあれば、真偽に関わらずイチコロなのに、それさえなければ、なんとなく「やってる感」さえありゃいいのです。
しかし、舛添の「公費で『ホテル三日月』に泊まったり『クレヨンしんちゃん』のコミックスを買ったりした」なんていう、セコくてわかりやすい弱点よりも、小池の何の役にも立たないコロナ対策で都の貯金を使い果たしたというような、わかりにくい失点のほうが、ずっと大きな問題だったはずです。
それなのに舛添や猪瀬は未だに名誉回復もできず、小池はのうのうと次も当選しそうな情勢なのです。
これって考えてみれば、安倍晋三が史上最長の政権を維持したのと同じ構図ですよね。
安倍も本当は数限りない失点をやらかしているのに、それがわかりづらく、マスコミの怠慢もあって伝わらず、なんとなく「やってる感」があるというだけで支持されて、大衆の「どーせ誰がやっても同じでしょ?」というニヒリズムでずるずる続いてしまったのです。
ニヒリズムの蔓延が問題であって、しかも今回はそのニヒリズムが「ポスター掲示板ジャック」なんて悪ふざけまで巻き起こしており、このニヒリズムは小池にとっては大きな追い風になってしまうというのが、現状なのだと思います。
何に関しても、ニヒリズムが最大の敵だと、つくづく感じます。(時浦)